ドアノブを回さないで

部屋が異常に汚い。
帰宅すると、毎回空き巣に入られたような気分になる。
もともと狭い上に、最近は映画関係の小道具が部屋中に溢れており(たとえば、オセロ、タイプライター、布、ボストンバッグ、サングラス、付けひげ、ブローチなど)、その他にも趣味全開の粗大ゴミが特に空間演出もなく適当に置かれているから、文字通り足の踏み場もない。まあ、ちょっとはあるけど。


そんな部屋にかれこれ四年住んでいます。
思えば色々あった。
引っ越して何日目かの朝に、誰かが玄関の外でドアノブを十分くらいがちゃがちゃ回してたり、
夜、友人に電話すると、部屋には自分一人しかいないのに「後ろで女の人の声がする」と言われたり。
週に一度か二度、通風孔にスパナを投げ落としたような金属性の残響音が聞こえるが、あれは一体何。
思い出と言えば大体怖いことばっかりだ。
でも部屋が散らかり始めて以来、そういう怪談染みたことは一切起こらなくなったので(金属音は未だに聞こえるが)、これらには何らかの因果関係があると信じたい。


まあ、部屋の散らかり具合とポルターガイストの関連性はともかくとして、
もうすぐ引っ越すのでそれまでは掃除しないという意気込みで居たけれど、松添さんが明日うちで撮影するので、人としてここは片付けねばなるまい。
こんな駄文を書いてるうちにいくらか片付くはずなのに!