体は子供、頭脳は大人!

夜、名探偵コナンを見ていて、「こんなことではいかん、映画でも観に行こう」と思い立つ。
急いで吉祥寺に向かい、レイトショーでピクシーズのドキュメンタリーを観る。


ピクシーズを最初に聴いたのは高校生の時で、アルバムを何枚か聴いた後、初めてメンバーの写真を見て、「なんて格好悪い連中なんだ……」とそのルックスに正直落胆した記憶があるが、それがあるから尚更に格好良いと感じたのも確かで、素晴らしく頽廃的で疾走感に溢れ、時に気怠いこのバンドの音楽には、当時無気力な若者を気取っていた自分も素直に心躍らされたものである。


解散後12年を経て再結成したピクシーズは、その当時感じた通り、やっぱりすごく格好悪くて(ステージに上がってない時のメンバーの悲愴感といったらない)、だからこそ彼らの音楽はべらぼうに格好良くもあり、映画は、その明暗を生々しく描いていた。
『ラウド・クァイエット・ラウド』という副題(原題?)は、バンドのそうした実情を言い当てたなかなか良いタイトルであると思う。


そういえば今年最初に観た映画である。バウスシアターの爆音上映はバスドラやベースの音がずんずん響いてきて、実際にピクシーズの生演奏を聴いているかのようで、とても良かった(ツアーバスの走行音まで割れて聞こえるのは戴けないけど)。


帰り道、吉祥寺のサンロードで見たストリートミュージシャンに無理矢理ヘッドフォンをあてがって、大音量で『ディベイサー』を聴かせてやりたいと思った。