果てなき路

何とも言えず不思議な映画でした。
その理由は単純に、これが映画作りの映画だから、ということだけではないと思うんだけど、じゃあ何が原因なのかというと、やっぱりよく分からない。複雑なシーン構成のせいなのか、その割にやけに間延びした編集点のせいなのか……。

はっきり言って脚本的な欠陥はかなりあると思われます。このホンを他の人が監督したらとんでもない駄作になるんじゃないかとさえ思ってしまう。それなのに、画面には常に何かが起こりそうな予感が充満していて(実際「何か」は起こるのだけど、それ自体はあまり問題ではない気がする)、結局、最後まで魅入ってしまった。
でも考えてみれば、『断絶』にしろ『コックファイター』にしろ、そういう「予感」こそがモンテ・へルマンの作品の本質といえるかもしれない。
と、今そう思った。

久しぶりに映画見て訳分からん興奮を覚えました。