サンダル乗る段差

昨日、久しぶりに渋谷にライブを見に行った。
午後からのイベントだったので12時半くらいに家を出たのだけど、小平で急行に乗り換える時、あろうことか前に立ってた女の人の履いてたサンダルのかかとを踏んでしまって、脱げたサンダルが電車とホームのすき間から線路に落ちるというハプニングが起こってしまった。
その落ち方があまりに綺麗だったので、僕もその人も一瞬何が起こったか分からず、「あれれ?」って感じでその場にフリーズしてしまい、電車が行っちゃってからも二、三秒間くらい謎のブランクがあった後、ようやく我に返った僕は慌てて駅員さんを呼びに行った。
申し訳ないことに女の人も何か用事があったみたいで、駅員さんが高枝切りバサミみたいな道具でサンダルを拾い上げてる間もどっかに電話を掛けていて、その時初めて気付いたんだけど、外見や話し方からしてどうやら彼女は東南アジア系の人らしく、電話でも覚束ない感じの日本語で、「今、ワタシのサンダルが線路に落ちたからチョット遅れます」などと話しており、それで電話の相手が事態を正確に把握できたかは大変疑わしかった。本当なら電話を代わってあげて事情を説明すべきところだったのかもしれないけど、なにしろパニクってたから冷静な対処ができず、そんな自分が恥ずかしい。
何だか途轍もなくいい人で、事態が収拾したあと僕が平謝りしてる時も、「駅員さん呼んでくれてアリガトー」とか言ってて逆にハートが痛んだ。彼女の用事が仕事かなんかの重要な約束だったとして、僕のせいでそれが破談とかになってたらほんとにどうしよう。それで故郷に帰るなんてことになってたら……。もうサンダルは踏まん!と心に決めた僕である。
そんなこともあり、ライブは疲れました。