霧の浮舟が食べたい

土曜日夕方、岡庭さんが遊びに来た。家がそこそこ近いということもあり、高校生以上小学生未満くらいの頻度で彼は家に来る。その後、本当に珍しく広江さんも合流して、それで実は彼女も家にいて、なぜか四人で飲むことになった。新作の第二稿を岡庭さんに読んでもらったが、反応があんまり芳しくなかった。なんでだ。広江さんがちょっとビジュアル系に見えたのは気のせいかな。


日曜日は渋谷で『ミスター・ロンリー』を鑑賞。なんか釈然としない感じだった。冒頭でいきなりボビー・ヴィントンの“ミスター・ロンリー”という曲が流れ、マイケルに扮した主人公がミニバイクに跨がって登場した時点で(しかもスローモーション)「あれ?」と思う。それはそれでシュールで哀愁があるんだけど、最初から「僕は孤独な男なんだ」ということを言ってしまったら元も子もないというか、やっぱり最初は嘘でもいいから「孤独なんかじゃないぜ」って感じで斜に構えててくれないと、それ以降何の期待感も生まれないし、最後まで付き合ってられない。孤独な自分に気付きながらもそれを認めようとしない、そういった強情さにこそ切ない感じって潜んでると思うし、本家のマイケルの魅力もある意味、そういう部分にあるんじゃないかと。でもレオス・カラックスヴェルナー・ヘルツォークが端役で出演してたのにはドキッとさせられたけど。


月曜日。国立に遊びに行きがてら物件を探す。でも途中でバイト先から電話があり、へこんですぐ帰った。四月締め切りの小説を全然書いてなくて焦る。